もっとちゃんと気をつけておけば。
噛んだ唇の裏側から微かに鉄の味がした。
母親はまるでいやらしいものでも見るような目つきで私を捉えた。
「心星ちゃんに彼氏はまだ早いでしょ!?」
早いってなんだ早いって。高校2年生にもなって早いわけがない。今どき小学生にだって恋人くらいいる。
月城は私の彼氏じゃないけれど、そう反論したくなった。
黙り込む私が気に入らなかったのか、母親は腕を組みながら見せつけるように深い溜息をついた。
「とにかく、明日からは家で勉強しなさい。お昼ちゃんと作っとくから、それちゃんと食べなよ」
釘を刺すようにそう言い、背を向けた。
「全く、受験戦争はもう始まってるっていうのに恋愛にうつつ抜かして……」
扉を閉めた衝撃が波となり、空気づてに肌に伝わってきた。
壁越しに母親の小言が聞こえる。それが遠ざかり、母親の気配が消えたところでようやく息を吐けた。
足元がグラグラする。
酸素不足と過度のストレスのせいで平衡感覚がおかしくなっているんだ。
「……自分の言いたいことだけ言って、高尚ぶるなよ」
噛んだ唇の裏側から微かに鉄の味がした。
母親はまるでいやらしいものでも見るような目つきで私を捉えた。
「心星ちゃんに彼氏はまだ早いでしょ!?」
早いってなんだ早いって。高校2年生にもなって早いわけがない。今どき小学生にだって恋人くらいいる。
月城は私の彼氏じゃないけれど、そう反論したくなった。
黙り込む私が気に入らなかったのか、母親は腕を組みながら見せつけるように深い溜息をついた。
「とにかく、明日からは家で勉強しなさい。お昼ちゃんと作っとくから、それちゃんと食べなよ」
釘を刺すようにそう言い、背を向けた。
「全く、受験戦争はもう始まってるっていうのに恋愛にうつつ抜かして……」
扉を閉めた衝撃が波となり、空気づてに肌に伝わってきた。
壁越しに母親の小言が聞こえる。それが遠ざかり、母親の気配が消えたところでようやく息を吐けた。
足元がグラグラする。
酸素不足と過度のストレスのせいで平衡感覚がおかしくなっているんだ。
「……自分の言いたいことだけ言って、高尚ぶるなよ」



