星屑の唄【期間限定公開】

 先の見えない道をただ走っていた。聞こえてくる無数の声を振り切るように。


〈スピカ様かわいそうT T〉
〈高校生の才能に嫉妬したおばさんw〉


 うるさい。


〈炎上商法で草〉
〈今までの曲も全部パクリだったんじゃない?〉
〈スピカ様に申し訳なくないんですか!? 早く謝ってください!!!〉


 うるさい。


〈☆はスピカ様のものです。☆までパクるつもりですか?〉
〈スピカ様の音楽を汚すな〉
〈死ね〉
〈なにかに本気で取り組んだことないからこんなことできるんだろーな〉


 うるさいうるさいうるさい。黙れ黙れ黙れ……!!


 ――ピピピピピ、ピピピピピ。


 電子音とともに霧散していった。
 それによって得られるのは、中傷から逃れられた安堵と、なにも変わってない朝への絶望。

 もう何日も目にしていないのに、私はずっと、あの日の炎上に囚われている。

 目覚まし時計を止め枕元のスマートフォンに目をやると、月城からメッセージが来ていた。


〈今日も集まれそう?〉


 朝の挨拶もない簡素な文は実に月城らしい。彼に倣い私も〈うん〉とだけ返し、ベッドから降りた。自身にまとわりつく悪夢を振り払うように。