星屑の唄【期間限定公開】

「いいね。どれくらい張り込む予定?」

「夕方まで」

「えっ」


 こんな真夏に?


「安心して。なにもずっと外にいるわけじゃないから」


 私の懸念を見透かすように月城が笑った。日傘をさしていても暑いというのに、月城の笑みは彼の肌が白いからか涼しそうに見える。


「じゃあどこで見張るつもり?」

「向かいの建物の2階にカフェがあるから、そこから見下ろしとけばいいかなって」


 私の日傘をそっと手にとった月城がほら行こっと促してきたので、隣を歩き始めた。炎天下の中日傘も持たず歩いている月城を見かねて「入る?」と提案してからこのスタイルが定着したのだ。

 2人で1本の傘を差すことを相合傘と言うことは知っているけれど、それは雨傘じゃなくて日傘でも使われるのだろうか。他の人が見たらカップルだーとか思われるかもしれない。どうでもいいことだ。


      ★


 月城の案内でやってきたカフェはいわゆるレトロモダンカフェだった。

 昭和を彷彿とさせる内装であるものの、物が混在しておらずとてもシンプルだ。

 席はどこに座ってもいいとのことだったので通りを見渡せる窓際の席を選んだ。深紅のソファは低反発で腰を下ろすとぎゅむっと沈んだ。