星屑の唄【期間限定公開】

 彼から受け取ったスマートフォンの画面に表示されていたのは、スピカのXアカウントの画像欄だった。それも、かなり前の。

 そこには主にスピカの身体の一部が写りこんだ風景写真と毎度おなじみ首から下のみを写した自撮りが並んでいた。詳しく見ていくと、その中にはなんと電柱が写りこんだ写真も投稿されていた。拡大すればそこに書かれた文字を読むことも可能だろう。電柱の位置情報データから具体的な住所を特定することができるため、これで少なくともスピカの行動範囲を把握することができる。

 逸る心に動かされるまま上にスライドしていくと、同じ画角から撮られた写真があることに気づいた。写真内の建物の高さから見て2階以上から撮影されており、一軒家が並んでいることから住宅街と思われる。つまりここはスピカの自宅の可能性が高い。

 他にも顔をスマートフォンで隠した自撮りがあった。鏡に反射している洗面所の数や背後のタイルからしておそらくトイレで撮ったのだろう。商業施設の中か駅内かは定かではないが、背後のタイルからどこのトイレか割り出せるかもしれない。

 スピカの情報が頭に入ってくるたびに嫌悪感で胃がムカムカして吐きそうになったが、それでも手は止まらなかった。
 これだけの情報があれば、月城の言う通りスピカの住所特定はおろか――素顔特定だってできる。

 ごく、と唾を飲み、再び月城と向き合った。


「ひとつ、訊かせて」

「なに?」

「仮に素顔特定したとして、それからどうするの?」

「べつに、夜野の好きにすればいい」

「っえ?」