星屑の唄【期間限定公開】

 パクリ疑惑のことを知っていたから、いずれステラの曲も聴くかもしれない。それで『汽水域の恋』が『わかっていても』のパクリだって断定でもされたら。

 私は、どうなるんだろう。

 昨日の夜から、指先からじわじわと、緩やかに死んでいく感じがする。

 ふたりの会話、蝉の鳴き声、教室の喧騒、焼きついて離れない罵詈雑言、そのすべてから目を瞑った。そうすることでようやく息を吐けた気がした。


      ★


〈今日の放課後空いてる?〉


 月城からのメッセージに気づいたのは、終礼の後のことだった。素早く〈空いてる〉と送ると〈じゃあ人がいなくなったタイミングで隣の教室来て〉と返ってきた。それに星のキャラクターのスタンプでOKと返し、スマートフォンを閉じた。そして一緒に帰ろ〜とやってきた梨々花と美波に断りを入れ、講義室の前に佇んだ。

 扉を開ければきっと月城が待ち構えている。周りに怪しまれないためにも、人が来る前にさっさと中に入るべきだ。

 でもここを開けてしまえば、もう後戻りできないような気がして――。


「夜野?」

「えっ月城?」


 声の方を見ると、渡り廊下から月城がペットボトルと財布を片手に歩いてきていた。


「てっきり中で待ってると思ってた」

「夜野がなかなかこないから飲み物買ってきてたんだけど……入らないの?」