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物心ついた頃から私の周りは音で満ちていた。
それをきちんと形にしたのはいつのことだったか。
今ではもう朧気だ。
楽譜という存在を知ってから手探りで何かしら書いていたと思う。絶対音感もってないのにね。
私の音楽はノートと鉛筆がすべてだった。
そしていつしかこの音たちをテレビに出てくる人たちみたいにたくさんの人の前で披露できたらいいな、と淡い希望を抱いていた。
だが、そんな夢は母親にとって"恥ずかしいこと"らしい。
小学生の見る世界なんてたかが知れていて、母親に否定されるということはほかの人も同じだろうと思った。
――じゃあテレビに出てる人は恥ずかしいの?
とてもそうは思えなかった。画面に映る彼らはいつ見てもキラキラしていたからだ。
わからなかった。わからなかったからたくさん考えた。
なんで彼らが音楽を奏でていても恥ずかしくないのに、私は恥ずかしいって言われるんだろうって。
その結果、彼らは「選ばれた」人間で、私は「選ばれなかった」人間だと結論付けた。
これで見切りが付けられたと思った。だが今度は新たな疑問が生まれた。



