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その晩、私は久しぶりに新曲を投稿した。
タイトルは『欠けた月』。
以前月城のことを思い浮かべながら紡いだ音たちだ。
再読み込みしてみると、再生回数が1になっていた。
――月城、かな。
そう思うと自然と口角が上がった。
果たして彼はこれが彼の笑みから生まれたものだと気づくだろうか。
気づいたらどんな反応するかな。楽しみだ。
永いときを経てようやく、青いひかりの中でも息ができた気がした。
ここではもう独りだと思っていたのに、たったひとりでもちゃんとファンがいるとわかっただけで、こうも大丈夫になれるものなのか。
それもこれも月城のおかげだ。今度こそちゃんとしたお礼をしよう。そう、心に決めた。
でも、そんなのただの気休めに過ぎないということを、このときの私はまだ知らなかった。
ちっぽけな私なんて、大波がきてしまえば簡単に呼吸をさらわれる。
わかったつもりになっていただけで、私はその本質を少しも掴めていなかった。



