え、と声が漏れた。
『夜、そう思うだけで不安定になります。たすけてって突発的に配信したこともあります。☆信者のみなさんならご存知ですよね? 家族も友だちもみんなわたしのことが好きなのに、わたしだけウジウジして……。それで学校に行けなくなって、今通信制高校に通おうか迷っています』
これ以上はまずいとパソコンの電源ごと消した。
スピカと自分が違いすぎて、吐きそうになったのだ。
両親が離婚しているけれど音楽活動を応援してもらえているスピカと、両親はいるけれど音楽活動を応援してもらえない私。
必要な機材を揃えてもらいボイトレにも通っているスピカと、パソコンとヘッドフォンしかない私。
恵まれているのに死にたいスピカと、音楽を紡げるかぎり死にたくない私。
私にはスピカが理解できなかった。
それでもチャット欄は〈スピカ様可哀想……〉とか〈死にたい気持ち分かります〉などスピカに同情していた。中には〈両親が離婚されていたなんて……さぞお辛かったでしょう。そんな経験をされているからあなたの曲は心に響くんですね〉と賞賛する声もあった。
まるで彼女の過去が彼女の価値を高めるステータスみたいに扱われている。
――そんなのおかしくない?
彼女の過去なんて周りが作り上げた結果でしかないのに。それをステータスにして周りによしよしされて同情心を集めるなんて。



