『☆信者のみなさま、こんばんは。スピカです』
スピカの声は歌っているときよりも少し上ずっていた。緊張しているのかもしれない。
私のように興味本位で見にきている人もいるだろうに、自分以外の人を「☆信者」と称するところは相変わらずだ。というか「☆」を「スピカ」と読ませていたのか。これまた傲慢な。
『今日は、わたしの過去についておはなししたくて配信しました』
私が呆れていると彼女はそう言って自語りを始めた。
スピカの両親は彼女が中学生になるタイミングで離婚したらしい。そして母に引き取られ現在祖父母の家で生活しているとのこと。ある日何者かになりたくて、たまたま楽器屋さんの前を通りかかったことで音楽を作りたいと思うようになる。そのことを母や祖父母に話すと応援すると言われ、機材を揃えてもらったりボイトレ――ボイストレーニング教室――に通わせてもらうようになった、と。
ここで彼女は一度言葉を切り、ラベルが剥がされているペットボトルの水を口に含んだ。
彼女は続ける。
『高校生になり、友だちができました。みんないい子でこんなわたしにもやさしくしてくれます』
ここで少し沈黙があった。目元を擦る素振りを見せ、再び話し始める。
『でも、よく、思うんです。……死にたいなって』
スピカの声は歌っているときよりも少し上ずっていた。緊張しているのかもしれない。
私のように興味本位で見にきている人もいるだろうに、自分以外の人を「☆信者」と称するところは相変わらずだ。というか「☆」を「スピカ」と読ませていたのか。これまた傲慢な。
『今日は、わたしの過去についておはなししたくて配信しました』
私が呆れていると彼女はそう言って自語りを始めた。
スピカの両親は彼女が中学生になるタイミングで離婚したらしい。そして母に引き取られ現在祖父母の家で生活しているとのこと。ある日何者かになりたくて、たまたま楽器屋さんの前を通りかかったことで音楽を作りたいと思うようになる。そのことを母や祖父母に話すと応援すると言われ、機材を揃えてもらったりボイトレ――ボイストレーニング教室――に通わせてもらうようになった、と。
ここで彼女は一度言葉を切り、ラベルが剥がされているペットボトルの水を口に含んだ。
彼女は続ける。
『高校生になり、友だちができました。みんないい子でこんなわたしにもやさしくしてくれます』
ここで少し沈黙があった。目元を擦る素振りを見せ、再び話し始める。
『でも、よく、思うんです。……死にたいなって』



