数秒の広告のあと、曲が流れ始める。
『きみにとっては二番目でも』
スピカがXで言っていたようにダメだと分かっていてもクズ男に沼ってしまう女の子の心情を切なく歌った曲だった。
彼女がいると分かっているのにセフレという関係をキープし、一番になれないと嘆く歌詞が滑稽で、私はこの曲にほんの少しも共感できなかった。
被害者はクズ男と付き合っている彼女だけだ。間違ってもこの曲の視点人物ではない。それにもかかわらず悲劇のヒロインのように振る舞っているところがイライラする。
言葉選び自体もありきたりで薄っぺらい。
曲全体が教本でも読んだのかお手本のように作られていて、独創性が感じられず、スピカの心が伝わってこない。
端的に言うとひどく機械っぽいのだ。
表面的に繕うばかりでなにも響いてこない。
これのどこがいいのだろう。私にはよくわからなかった。
だがコメント欄の反応は私とは真逆だった。
〈切なくて泣いちゃいました…T T〉
〈まるでわたしのことを言われてるみたいでした泣〉
〈エモすぎ良すぎて涙涙〉
〈クズに沼る気持ち分かる〜〜! わたしも今こんな感じなの笑 彼女さんさっさと別れてくれないかな〜〜〜〉
〈今回の曲もすっごくエモくて最高です!!!!!!! スピカ様☆☆☆!!!!!!!〉



