星屑の唄【期間限定公開】

 私はもうどんな顔で彼の前に立てばいいのかすらわからなくなっている。


 答えが見つからないまま教室の前にたどり着いた。とても入る気になれなくて、後ろの扉のガラス窓から教室の中を覗く。

 いつもよりゆっくり来たからか、すでに月城は中にいて、友だちと話している。

 その姿に一昨日の面影はなく、いつも通りの彼にほんの少しだけ安堵した。

 音を立てないようにゆっくりと扉をスライドさせ、室内に入る。ちょうどそのとき、月城が顔を上げたので、ぱちりと目が合ってしまった。途端、ふいっと逸らされる。


 ――あ。


 さっきまでどんな顔で向き合えばいいのかわからないと嘆いていたくせに、目を逸らされたことに傷つく私がいた。

 元々月城とは教室で気軽に話すような仲じゃなかった。だから目が合ったことをなかったことにするなんてなんらおかしなことじゃない。そう自分に言い聞かせ、席についた。

 スクールバッグを机の横に掛け、一限の授業に使う教科書とノート、筆箱を取り出す。そのとき、ふいにクラスの女子たちのクスクス笑う声が聞こえた。

 べつに私のことを笑っているわけじゃない。そんなことわかってる。でも、どうしても私は自分が笑われているような気がして落ち着かなかった。もしかしたらステラが私だとバレて、貶されているんじゃないかって、本当はみんなステラの正体に気づいていて、それを知らない私のことを裏で嘲笑ってるんじゃないかってありもしない妄想に取り憑かれて呼吸が浅くなる。