星屑の唄【期間限定公開】

「ごめん」


 もしあのとき月城の提案を断っていれば。


「ごめ、ん」


 もし私が『汽水域の恋』を投稿しなければ。


「月城……」


 もし私たちが出会わなければ――。

 彼は彼のままでいられただろうか。


      ★


 どれだけ来るなと願っても夜は明ける。

 ろくに眠れていないのにいつまで経っても眠気は湧いてこなくて、こんな状態でもヒトの身体は動くのだなと半ば他人事のように考えながらベッドから降りた。


 月曜日が、来てしまった。

 何をする気にもなれないけれど、身体は見えない糸で操られているかのようにきちんと動き、あっという間に朝の支度が終わって家を出た。

 学校に向かいながらも、頭の中は一昨日のことばかり。

 結局月城に折り返し電話をかけることも、メッセージの返信をすることもできなかった。

 私が彼に与える影響力を知ってしまった以上、下手に接してしまえばもっと彼を壊してしまうのではないかと怖かったのだ。