月城も遅れて「あれ、あいつのキーホルダーと一緒……!」と声をあげる。
野暮ったい前髪と孔雀の羽に似たアホ毛。背中まで伸びた髪。思春期特有の希死念慮に囚われている瞳。
猫背。そのせいで服に着せられているが如く、ギターケースに背負われているように見える。ところどころ髪の毛が絡まっていて、冬でもないのに静電気のバチバチ音が聞こえそうだ。
それらを視認した途端、急激に萎えてしまった。
――なんでだろ。あんなにスピカが憎かったのに。……いや、今も憎いのは憎い。じゃあ、なんで。
「夜野、写真っ」
早く撮れと急かす月城が、もたついてる私を焦れったく思ったのか、自身のスマートフォンを翳す。
その一連の動作がいやにスローモーションに見えた。
そして、気づいたときには、彼を手で制していた。
「月城、辞めよう」
「え……なんで? スピカのこと嫌いなんでしょ? 弱み握りたいって思ってるんでしょ?」
「うん」
「ならっ……」
「でも、これは違うって思ったの」
月城の言う通り、私はスピカが大嫌いで弱みを握って優位に立ちたいし、今すぐにでも消えて欲しいって思ってる。
野暮ったい前髪と孔雀の羽に似たアホ毛。背中まで伸びた髪。思春期特有の希死念慮に囚われている瞳。
猫背。そのせいで服に着せられているが如く、ギターケースに背負われているように見える。ところどころ髪の毛が絡まっていて、冬でもないのに静電気のバチバチ音が聞こえそうだ。
それらを視認した途端、急激に萎えてしまった。
――なんでだろ。あんなにスピカが憎かったのに。……いや、今も憎いのは憎い。じゃあ、なんで。
「夜野、写真っ」
早く撮れと急かす月城が、もたついてる私を焦れったく思ったのか、自身のスマートフォンを翳す。
その一連の動作がいやにスローモーションに見えた。
そして、気づいたときには、彼を手で制していた。
「月城、辞めよう」
「え……なんで? スピカのこと嫌いなんでしょ? 弱み握りたいって思ってるんでしょ?」
「うん」
「ならっ……」
「でも、これは違うって思ったの」
月城の言う通り、私はスピカが大嫌いで弱みを握って優位に立ちたいし、今すぐにでも消えて欲しいって思ってる。



