星屑の唄【期間限定公開】

 音響も悪ければ技術もまだまだ未熟。ただでさえ汗が滲むほど暑いのに、太陽のオレンジみたいな照明の下で歌うなんて、考えただけでどろどろと溶けそうになる。

 でも、彼らはすごく活き活きしていて楽しそうだった。それどころかその熱すらもエネルギーに変えているように見える。

 率直にすごいな、と思った。


「……出てみたいの?」


 ふいに耳元で月城の声がした。

 そこですっかり見入っていたことに遅れて気づく。

 月城は私が聞こえていないと思ったのか、少しでも動けば触れてしまいそうなほど近くにいて。じんわり伝わってくる体温と伏し目がちに見つめてくる瞳に、不覚にも心が揺らいでしまった。

 そんな私の心情を知らない月城は、なおも私の様子をじっと見ている。

 先に耐えられなくなったのは私の方で、ふいっと背けるみたいに顔をステージの方へ戻した。


「いやいや、私顔出ししてないし無理だよ」

「無理とか無理じゃないとかじゃなくて、出たいか訊いてるんだけど」


 覆面でも活動してる人いるじゃん、と付け加えられ、言葉に詰まった。

 出たいか、出たくないか。

 そんなこと考えたこともなかった。


「……さぁ」


 だから、すぐには答えが出ない。