星屑の唄【期間限定公開】

「どうせ来たんなら満喫しよ」


 少し口角をあげながらそう提案すると、月城も少しだけ笑ってちいさく頷いた。


      ★


 夏祭りといったら射的や金魚すくい、というイメージがあるが、最近は体験型の屋台は減少傾向にある気がする――と、石畳の上を歩きながらウィンドウショッピングするみたいに屋台を巡りつつ思った。

 道行く屋台には焼きそばやフライドポテト、りんご飴、かき氷といった王道の食べ物はもちろんのこと、肉巻きおにぎりやカレー、ホルモン焼き、チュロスなどが名を連ねている。

 これも時代の流れで需要がなくなったきているのか、それともただ単に売れ行きが悪いのか。この祭りに来ている人の大半が花火目当てだろうし、そうなってくると体験型のものよりも花火と一緒に楽しめる飲食系の屋台の方が売れやすいのはなんとなくわかる。あと、金魚すくいはすくったあとのことを考えると安易に手が出せないのも原因だろう。

 月城と話ながらそんなことを考えていると、後ろの方からギターの音と歌声が聞こえた。

 反射的にぴた、と足が止めて振り返る。


「どうしたの? ……ああ、ステージ?」

「うん」


 私に合わせて止まった月城も、野外に設置されたステージに目を向ける。

 どうやら地元の大学生バンドらしき人たちがライブを行っているようだ。ステージの前には背もたれのないプラスチック製のベンチと、そこに座る彼らの知り合いと思しき人たちや、休憩のためにたまたまそこに居合わせたであろう人たちがいた。