配信終了後、幼馴染実況者の本性が悪すぎる

そして――

《フウ呼びきたーーー!!!!》
《尊い、尊い、尊い!》
《早く、付き合って下さい》
《むしろ、もう付き合ってるんじゃ……》
《でも、前質問コーナーで、ただの幼馴染ですって言ってたよね!?》

勢いが一気に増すコメント欄。

やっぱりきたきた。

ファンの間では、“ナギフウカプ推し”と“ナギガチ恋勢”が一定数いるらしく、
ナギの言動に、一喜一憂しながら、
『やっぱりふたりは付き合ってるんじゃないか』論争が始まるのもお決まりだ。

この私達のもどかしい距離を考察するのも、
なぎふぅチャンネルファンの楽しみ方のひとつらしい。

そうこうしているうちに、
ゲーム攻略は着実に進んでいき――

迷い込んだ旧校舎の扉が開いた瞬間、
画面が白く光る。
そして――流れ始めるエンドロール。

「やった〜〜〜!!クリアーー!!」
『おつかれさま』

私と凪の声が重なったその瞬間。

《おつかれー!》
《クリアおめでとうw》
《ナギくんカッコよかった》
《安定のフウちゃんの運の無さ(笑)》

一気にコメントが入っていく。

「いやぁ……難しかった〜〜」

『フウちゃん、8回ぐらい死にかけてたよね』

「まって、数えてたの……!?」

『……ふ』

静かで柔らかな凪の笑い声。
優しい低い声色。余裕ある空気感。
声だけなのに、自然と惹きつけられる。

だから、当然――

《ナギくんって本当優しいよね》
《こんな紳士な幼馴染欲しい……!》
《フウちゃんいいな〜〜》

再びコメント欄がナギで埋まる。
うちのチャンネルを見に来てくれるリスナーさんは、7〜8割は女性。
そのせいか、ナギ人気の高さは異常だ。

優しい。穏やか。
柔らか口調。少年っぽさを絶妙に残した鼓膜に心地よく染み渡る声。

好きになる要素しかない。
ナギに模した黒髪男子のゆるキャラを解禁してからは、その熱がさらにあがった気がする。

時計をチラリと見る。
配信を開始してからいつのまにか、数時間経っていた。

あっ、もうこんな時間なんだ。
よし。そろそろ終わろうかな。

「じゃあ、ナギ。今日はこの辺で終わろっか!」

『だね。みんな、見に来てくれてありがとう。また次回』

「次のゲームもお楽しみに……!またね〜〜」

いつも通りの軽い締め。

《お疲れ様〜〜!!》
《えーーー!終わっちゃうのーーー!?》
《次回も楽しみー!!!》
《ナギくん、フウちゃんまたね〜!》

そんなコメントを見て、ふふっと頬を緩めつつ、配信終了ボタンをぽちり。

さっきの騒がしかった空気が一気に静まり返った。

「ふぅ〜〜〜」

解けた空気に、
長めに気の抜けた息を吐き、ゲーミングチェアの背に全体重を預けた。

その瞬間。

『おい、ノロマ』

ベッドフォン越しから低い声が届いた。