その後は、ふたり(主に凪が)で謎を解くための手がかりを探していく。
凪がすぐにサクサク謎を解いていってくれるため、ゲームはスムーズに進んだ。
私も、宣言通り淑やかにゲームを進めていく。
《今日のフウちゃん、ほんとに淑やかモードだw》
《逆に叫んでくれないと寂しい(笑)》
そのコメントに凪が反応する。
『確かに。今日大人しいね』
「ふふふ。でしょでしょ?ホラゲでも、脅かし要素なければ、ちゃんとお淑やかに出来るんだからね!」
ふふんと。
驚くリスナーや凪にそう得意げに話していた。
それはそれは得意げに。
その時までは。
「ぎゃああああ!!!ナギ!
はやくはやくはやくーーー!!!」
『ごめん、ちょっとだけ待ってね。
今暗号解読中だから』
「このうさぎ、追ってくるスピードはやすぎ!!
やだやだ!!来ないでよーー!!」
――ゲーム終盤。
最後の謎解きで。
片方がボスウサギを引きつけている間に
もう片方が、扉の鍵の入った箱を開けるための謎を解く。
……という、協力プレイが用意されていた。
当然、謎を解く自信のない私は、
囮になるわけで……
「えっ、まってまって!!!
そこに罠はられたらー……!」
ボスウサギは、行く先に罠を仕掛ける。
キーボードを操作し逃げながら、
マウスでクリックして罠を消さないといけない。
その操作に私はかなり苦戦していた。
ただでさえ難しいのに、
やっぱりマウスの調子がほんの少しよくなかったから。
三回は純粋に逃げきれずにウサギにつかまり、
四回目はあと一歩で、というところで、
マウスの不具合でクリックした罠が消えずにゲームオーバーになってしまった。
ゲームオーバーになると、
ウサギに追いかけられる前からやり直し。
「ううう。すみません……!!」
『大丈夫だよ。今ので箱の開け方もわかったから。次は最速でいけると思う』
「ナギ様……!!!」
頼もしすぎる言葉に声が弾む。
そのあと、言葉通り凪はパパっと謎を解いていく。
そして――…
凪が、箱から鍵を取り出して、
最後の扉を開いた瞬間、画面が白くなり――
『脱出成功』という文字と共に、
現実世界に戻ってきた主人公たちが嬉しそうにぴょんぴょん跳ねている様子が映し出され、エンドロールが流れ始めた。
達成感と共に、その画面を少しの間見つめたあと。
「やった〜〜〜!!!クリア〜〜〜!!!」
『お疲れ様』
私はホッと息を漏らしながら、声をあげると、そこに凪の柔らかな声が重なった。
「最後のウサギに追いかけられるの難しかった〜〜」
『フウちゃん叫びまくってたね』
「いやいや。あれは仕方ないって……!!
最後にあんな追われる要素あるなんて聞いてない……!!」
『ははっ』
凪とそんなやりとりをしていると、
《おつかれさまーー!!!》
《面白かった!!!》
《最後のフウちゃん、淑やかさ皆無w》
《安定のナギ様》
コメントがばばばーっと流れていく。
気づけば、視聴者はいつもの1.5倍くらいになっていた。
おそらくみんな、この後の私たちが通知した『お知らせ』を見にきてくれたのだろう。
コメントの反応を見ながら、
キレの良いタイミングで私は話を切り出した。


