確かさっき……「キラ」と呼ばれて、目の前にいるパンツ君と似た感じの声の人が応えていたような気がする。
となると、パンツ君がキラ……?
「あのー……大丈夫ですか、キラさん?」
膝が擦れて涙目になったキラさんらしき人を哀れに思った私は、しゃがんで声をかける。
畳って擦ると痛いよね。分かる、超分かる。
私も前世に肩車をして子どもたちと遊んでいたら、転んで顎を擦ったことがある経験者なので。
「いってて……ん? お嬢……」
名前を呼ばれたからか、パッと顔を上げるキラさん。
どうやらパンツ君が、キラさんで合っていたみたい。
そしてキラさんは私と目が合うと、驚いたように瞳を瞬かせた。
ように、というか本当に驚いているみたいで、目の前私をジッと凝視している。
「…………は!? なんかお嬢の顔が変形してるんだけど!? つーかスゲー美人!」
「……」
って、待て待て。変形ってどういうことよ。
つーかめっちゃ見てくる……なにこれ怖い。
気づけばキラさんの後ろにいる人たちまで私を凝視しているではないか。
何事かと思ったけれど、そういえば自分が素顔だったことを思い出して納得した。
厚化粧よりかはマシだと感じてはいたけど、もしかして私って客観的に見て結構顔が整っているほう……なの?
それにしても皆してそんな食い入るように見ないでよ。
珍種の化け物にでもなったみたいで落ち着かないよ。
「これ、お前たち。いつまで惚けた顔をしているんだ」
見かねたおじいちゃんは、一口飲んだ湯呑みを置いてそう言ってくれた。



