「ついでにそのツラもなんとかしてこい」
シートに張り付いたまま、それにこの言い草。
あれ?
「私一人ですか?」
「女の買い物は長げぇ。待ってるよ」
半ば追い出されるような形で下車。
すぐさま閉ざされたドア。
一人になった私は、目の前のビルを眺めた。
そこはキラキラとしたショップビル。
とてもこんな恰好で入る場所じゃない……。
しかしだ。
後ろの大きな車から目に見えない圧をどうしても感じる。
後戻りという選択肢はなかった。
こうなればもう仕方がない。
「よし」と小さく気合を入れて、私はもう周りの視線なんてシャットアウトしてビルに入った。

