けれどもそんなサンコンをじっと定めるように黙って見ている紫藤怜は何がしたいのか。
口を開くのか、開かないのか。
くれるのは冷ややかな視線のみ。
膠着状態のような沈黙がいくらか続くと、サンコンは拳にあった血を脇で拭って、買い出しの袋を手に持ち直した。
「……では」
「待てよ」
「なんでしょう?」
サンコンの口調はもういつものそれに戻っているけれど、声色には棘がある。
『用がないなら早く帰らせろ』なんて心の声さえ聞こえてきそうだ。
そんな風に彼らを見守っていたから。
だから、その突然の話に驚いた。
「コイツ。貸せよ」
シドがス、と指で差す先は、私。
「一体それは、何の用で」
「それをお前に話す必要があるか?」
「………」
「顔見知りなんだ。いいだろ」
返事をしないサンコン。
紫藤怜は私の目の前に立った。
「いつまでそんなとこで這いつくばってんだよ」
そう言われて気が付く。
集団に巻き込まれて尻もちをついたままだ。

