「大人しくしてろ」 「あの人は……シドにも多夜さんにも、関係ない。だから、」 「関係ない」 「なに?」 「お前の事情なんて関係ない」 「意味、わかんない」 「何度も同じことは言わない」 多夜はそう言ったら最後、何も答えてくれなかった。 スマホに目をやり、何かを確認すると車は走り出す。 ほどなくAnBarの前で停車すれば、 「………」 「………」 無言でドアを開け、無言で私を解放した。