余所者-よそもの-


少しだけ、ユキを困らせてやりたかった。

『放っておいてよ』なんて子供みたいなことは言えない。
だからせめて、らしくない下世話な詮索をしてるんだと思わせたかった。

そんな私の小さな意地の悪さは、ユキには微塵も通じない。


「たしかに、そう」

一ミリのダメージもない。
正面から受け止められて、なんならストレートに打ち返される。


「この話自体に興味はない。けど俺、お前って生き物には興味があるよ」


それってどういう意味?
目を丸くした私は、ものの見事にユキの手のひらで転がされている気がした。


「いちいち理解が出来ないんだよね。お前のやることも、言うことも全部」

「……他人なんだからそれが普通なんじゃないですか?」

「面白いよね。自己犠牲は得意なのに、自分のこととなると脆い」


自己犠牲してるつもりはない。
自分のことを後回しにしてるつもりだってないし。

私だって、ユキが何を考えているのかさっぱりわからない。

無関心が大半。
とても器用に生きているように見えるのに、いつもどこか退屈そうにしてる。

そんな彼が、私のぐちゃぐちゃな脳みそを気になるって言うんだから、どうかしてる。
疑うような目でユキを見上げた。