それからユキとサンコンは二、三言葉を交わし、ユキが顎で指図する形で通話を切った。
スマホを返却すれば、ユキは「はぁ、」と小さな溜息を吐く。
「俺が今日あそこに居たのはたまたま。潤ちゃんの店に顔出してた」
一瞬、何の話かと思ったけど。
そうだ。
なんであそこにいたのって、私が聞いたんだ。
潤の店、はホストクラブ。
あれ?
だけどおかしい。
あそこは――
「今日ユキさんが居たところってシトウですよね?」
「潤ちゃんの店はシトウの中だよ」
「ユキさんのやってるお店じゃないんですか?」
「全然、俺無関係。普通にシトウのデカい系列店でナンバー張ってるよ、潤ちゃんは」
そうだったんだ。
ユキと仲のいい潤だから、ユキの経営するお店で働いているものだとばかり思い込んでた。
よくAnBarに遊びに来るし。
そうこう話してる内に、車はユキの自宅に到着した。
相変わらず物で散らかった家。
足先を立てて、なるべく床を濡らさないように中へ入る。
一方のユキは構わず上がり、廊下を歩きながらシャツのボタンを外していた。
「ちょっ……」
あっという間に上半身裸になったユキに思わず両手で目を隠す。
そんな私のリアクションなど意に介さず、彼は静かにバスルームへ消えていった。

