その声と匂いは私の精神安定剤

声に聞き惚れてしまってボーッとしてる私に先輩はデコピンを食らわせた。

「痛っ…!」

おでこを抑えてる私に先輩はいたずら顔で

「人の話聞いてなかった罰な」と

私に伝えたあと、イライラしてるなら話聞くからなとカフェモカをいつどこから買ってきたのか私の机の上を置いて去っていった。

先輩と私がずっと話しているが先輩は私の1歳歳上で元サッカー部だったこともあり、モテていたらしい。名前は鮫島 裕也(さめじま ゆうや)という。かっこいいって言われてきていたが私のフェチが声だったこともあり話す機会もあまり無かったことから意識を一切していなかった。

今回、低音の響く声に度肝を抜かされかつ、私の心まで一瞬にして持っていかれた。簡単な女と言われれば簡単に違いない。しかし、あの声を思い出すだけで顔が熱くなるくらい忘れられないのだ。
そんなことを考えているうちにお昼の時間になった。

「柊、お前もお昼か?」

聞きたかった声が私の耳に届いた。苗字呼ばれただけでも、嬉しいと思うほど今もうメロメロなのだ。

「はい!先輩もですか?」

普通を装い、しっかりと答えたつもりだった。すると…

「なんか、顔赤いけど熱でもあるか?…それとも」
頬に手を当てられてクイッと目線を合わせられる。そして、耳元で囁かれた。

「俺の声にやられて顔が熱くなってるのか?」

その瞬間一気に熱が顔に集中していく。分かりやすいと言われるに違いないがこんなのズルすぎる。

「えっ!?なんで!?…いや、そんなこと…///」

アタフタしていると先輩はクスッといたずらっ子のように笑いだした。

「柊ってほんとに分かりやすいよな。さっきの朝の反応ですぐ分かったわ。それと今ので確定したし。でも、本当に可愛い反応するよな。」

もうどんな顔していいか分からないが、そんな中でも好きな声は耳から離れずドキドキさせられ続けていた。今の私には、その状況を理解することしか出来なかった。今後のことを考える余裕もさっきの行動もなんであんなことされたのかも考えられずドキドキと胸の鼓動を感じることしか出来ていなかった。

そんな様子を見ていた先輩は、そっと頭を撫でながら私に伝えてくれた。

「いきなり、あんなことしてごめんな。あまりにも可愛かったから。いじめたいわけでも騙してるわけでもないから。素直に気になってるから俺の事意識して欲しかっただけ。」

その言葉は今の私には更に心拍数をあげていくものでもうドキドキが止まることを知らなかった。