尊い推し兄弟に愛されてます!?




修学旅行当日――。

朝六時、まだ少し眠い目をこすりながら、私は大きなキャリーケースを引いて駅へ向かっていた。

本当ならもっと浮かれていたはずなのに。

頭の中は別のことでいっぱいで、旅行準備も捗らなかった。

『俺、本気で一華が好き』

ゆずくんの声が蘇る。

そしてそして……頬っぺたにキス!

あー、だめだ……。

思い出しただけで落ち着かない。

私はぶんぶんと首を振った。

今は修学旅行!

修学旅行を楽しむの!!

そう自分に言い聞かせる。


駅へ着くと、すでにクラスメイトたちが集まっていた。

「いっちー!!」

ひまりが大きく手を振る。

「おはよー!」

「見て見て!お菓子買いすぎた!」

「買いすぎだよ!!」

袋いっぱいのお菓子を見せられ、思わず笑った。

すると美月が呆れた顔をする。

「絶対一日目で食べ切るやつ」

「失礼な!」

「事実」

そんなやり取りをしていると。

「おはよ」

後ろから声がした。

反射的に心臓が跳ねる。

振り向くと、玲央くんだった。

「っ!」