尊い推し兄弟に愛されてます!?




SNS騒動から数日後の放課後。

私は一人で駅前を歩いていた。

美月は委員会、ひまりは部活だったので、今日は珍しく一人で帰る日だ。

ふと前を見ると――。

「あっ……」

見覚えのある後ろ姿が目に入った。

少し離れた場所だけど、そこにいたのは。


「ゆずくん……?」


私服姿のゆずくん。

そしてその隣には、あの日見た女性。

二人は楽しそうに話している。

やっぱりあの人だ……。

胸の奥がざわつく。

本当に大丈夫なのかな。

そんなことを考えていると、二人は駅前のカフェへ入っていった。

私はその場で立ち止まる。

……気になる。

すごく気になる。

でも尾行なんてダメだよね!?

そう思ったのに、気づけば私もカフェの扉を開けていた。


そっと店内を見回す。

いた!

窓際の席にゆずくんと女性。

そして女性の友達らしき人も一緒だった。

三人で楽しそうに話している。

「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ!」

「あっはいっ」

私は少し近くの席に座った。

何やってるんだろう、ほんと。

こんなのストーカーじゃん!

お願いだからバレないで。

しばらくすると。

「ごめん、ちょっとトイレ!」

ゆずくんが立ち上がったので、私は咄嗟にメニューで顔を隠した。

そのまま店の奥へ消えていく。