尊い推し兄弟に愛されてます!?

思わず笑ってしまう。

「ふふっ」

「笑った」

「ごめんっ」

「いや、その方がいい」

佐伯くんも笑った。

きっと、本当は笑いたくなんてないよね。

それでも最後まで優しくしてくれる佐伯くんだからこそ、胸が締め付けられた。

「じゃあ、この話は終わり!」

そう言って手を振りながら歩いていく佐伯くんの背中へ、私は小さく頭を下げた。

「ありがとう……佐伯くん」

その声は、本人には届かないくらい小さかった。

佐伯くんの背中が見えなくなるまで見送ったあと、私は小さく息を吐いた。

「佐伯くんは優しいなぁ……」

胸は少し痛かったけど、これで良かったんだ。

ゆずくんにもちゃんと伝えなきゃ……。

そう思いながら教室へ戻ろうとした、その時。

スマホが小さく震えた。

『昼、屋上でいい?』

送り主は玲央くんだった。

短い一文だけど、続けてもう一件届く。

『立入禁止の方』

思わず吹き出しそうになった。

そんな堂々と立入禁止って送ってくる!?

私は周りを見回し、小さく返信する。

『バレたらどうするの?』

数秒後。

『見張りはつけた』

「見張りって何……」

さすが玲央くん……。

こういうところだけ妙に慣れてる。