「誰にも言わないから安心して」
「ありがとう」
私は二人を見て笑った。
「おはよ、一華」
その時、玲央くんの声がして肩が跳ねあがった。
それを側で見ていた美月とひまりが笑い出す。
は、恥ずかしい……。
「おはよ……れ、」
そう振り返った瞬間、玲央くんを見て今度は心臓まで跳ね上がった。
今日は……一段とかっこいいような!?
こんな人が〝彼氏〟なんて……ありえないよ。
昨日はあんなに可愛かったのに、今日はかっこよすぎて……倒れそうです。
「……どした?」
固まってる私とは反対に、玲央くんは冷静。
昨日の玲央くんはどこへ!?
「な、なんでもないよっ」
「そ?」
そう言ってすれ違う瞬間、ほんの一瞬だけ私に近づいた。
そして……
「弁当楽しみにしてる」
誰にも聞こえないような声で囁いたあと、私から視線を逸らした。
耳が少しだけ赤い。
あ……照れてる?
と、思ったのも束の間、次の瞬間にはいつもの涼しい顔で男子の輪へ入って行った。
ずるい……こんなにドキドキしてるのは私だけ?
私は平然とした様子で挨拶している玲央くんの背中を、じっと見つめていた。



