「私そんなことしないよ!」
「小学生の時しただろ」
「それは知らなかったから!」
「だから怖かったんだよ」
そう言って不安そうな顔の玲央くんは、いつものモデル、橘玲央じゃなかった。
少し情けなくて、不器用で……。
でも、その姿が愛おしくて……やっぱり尊い。
私が小さく笑うと、玲央くんもつられて笑った。
こんな風に一緒に笑える日が来るなんて、少し前の私は想像もしていなかった。
その時だった。
玲央くんが、おそるおそる私の右手へ視線を落とす。
「……手」
「え?」
「繋いでもいい?」
その言葉に、胸がきゅっと締め付けられる。
さっきまであんなに大胆に抱きしめていたのに。
手を繋ぐことは聞くんだ。
なんだかそのギャップがおかしくて、私は小さく吹き出した。
「な、なんで笑うんだよ」
「だって……玲央くん可愛い」
「は?可愛くねぇし」
少し拗ねたように言う玲央くんへ、私は自分からそっと手を重ねた。



