尊い推し兄弟に愛されてます!?

「入れよ」

「お、お邪魔します……」

声が少し裏返った。

リビングへ入る。

誰もいない空間は思った以上に静かだった。

時計の秒針の音まで聞こえる気がする。

私はソファの端へちょこんと腰を下ろした。

緊張する。

ものすごく緊張する。

すると玲央くんが少し困ったように頭をかいた。

「……なんか飲む?」

「え?」

「紅茶とかコーヒー?」

「あ、うん……紅茶でお願いしますっ」

玲央くんがキッチンへ向かうと、その背中を見ながら私は胸元を押さえた。

落ち着け……。

落ち着け私!

返事しようって決めてたじゃん。

ちゃんと伝えようって思ってたじゃん。

なのに、顔を見たら何も言えなくなってしまう。

しばらくして、玲央くんがマグカップを二つ持って戻ってきた。

テーブルへ置いてくれたけど、その後お互いなかなか言葉が出てこない。

気まずいわけじゃない。

でも、妙に落ち着かない。

そんな空気の中、玲央くんがぽつりと口を開いた。

「佐伯と……」

「え?」

「さっき何話してた?」

私は目を瞬かせる。

まさか最初に聞かれるのがそれだとは思わなかった。

「夏祭りの話だけど……」

「あ、来月のか」

玲央くんがカレンダーの方を見る。