尊い推し兄弟に愛されてます!?

私は思わず背筋を伸ばした。

た、確かに……。

玲央くんは人気モデルだ。

私なんかと一緒にいるところを撮られたら大変なことになるかもしれない。

だけど玲央くんは平然としていた。

「わかってますよ」

「わかってる奴は学校まで迎えに行かない」

「……」

その言葉に私は目を丸くした。

迎えに……来てくれたんだ。

玲央くんは窓の外を見たまま、小さく舌打ちする。

しかし、マネージャーさんは楽しそうに笑っていた。

それから十分ほどして、車は橘家の前で止まった。

「送っていただいてありがとうございました!」

私が頭を下げると、

「こちらこそ。またね」

マネージャーさんは優しく手を振ってくれた。

車が去っていくと、静かな住宅街に夕暮れの風が吹いた。

私は隣に立つ玲央くんを見上げる。

「ゆずくんは?」

なんとなく気になって聞いてしまった。

すると玲央くんが鍵を取り出しながら答える。

「友達と遊び行った」

「そうなんだ」

「夜まで帰ってこねーって」

ドクン。

心臓が変な音を立てた。

「お、お母さんたちは?」

「親はどっちも仕事で遅いから」


それって、つまり――。

今、家には私たちしかいないってこと?

そんなことを考えているうちに玄関の扉が開く。