尊い推し兄弟に愛されてます!?

私は戸惑いながらも車へ乗り込むと、車内には運転席に男性が一人いた。

年齢は三十代くらいだろうか、優しそうな雰囲気の人が後ろを振り返って私を見ている。

「初めまして」

「あっ初めまして!」

慌てて頭を下げると、男性はにこっと笑った。

「一華ちゃんだよね?」

「えっ」

どうして名前を?

驚いていると、玲央くんが後ろの席へ腰を下ろしながら呟く。

「余計なこと言わないでくださいよ」

「いやいや、いつも話聞いてるから」

「聞かせてねぇし」

「勝手に聞こえてくるんだよ」

男性は笑っているけど、玲央くんは嫌そう。

なんだろう、二人のやり取りを見る限り、かなり仲が良さそうだ。

「俺、玲央のマネージャーの今野です」

「あっ、そうなんですね!」

玲央くんのマネージャーさんってこんな人なんだ!

この前の撮影のときはいなかったから、知らなかった……。

車がゆっくりと走り出す。

しばらくは何を話せばいいかわからず、私は窓の外を見ていた。

すると信号待ちで車が止まった時だった。

マネージャーさんがバックミラー越しに玲央くんを見る。

「玲央」

「ん?」

「女の子と二人で会う時は気を付けろよ」

「……」

「今のお前、撮られたら終わりだからな」