尊い推し兄弟に愛されてます!?

夕暮れの校庭には、まだ運動部の掛け声が響いていた。

「生徒会、大変そうだね」

「慣れたけどねー」

「さすが生徒会長」

「やめてよ」

二人で笑い合った。

佐伯くんと話していると、なんだか落ち着く。

優しいし、ちゃんと話を聞いてくれるし。

すごく話しやすいんだよね。

校門が見えてきた頃だった。

「そういえばさ」

佐伯くんが少しだけ真面目な顔になる。

「うん?」

「来月、夏祭りあるじゃん」

「あー、そうだね!」

「もし良かったら――」

その時だった。

キキッ――!!

突然、校門の前に黒いワゴン車が停まった。

「えっ!?」

私も佐伯くんも驚いて足を止める。

ドアが開き、車から降りてきた人物を見て私は固まった。

「玲央くん!?」

どうしてここに!?

玲央くんは周囲の視線なんて気にも留めず、真っ直ぐこちらへ歩いてくる。

少しだけ髪が乱れていた。

急いできたのだろうか、でも表情はいつも通りで。

余裕そうな顔をしている。

私の前で立ち止まると、

「よう」

とだけ言った。