*Side一華*
玲央くんに夢のような告白をされてから数日後。
私はまだ返事ができずにいた。
心の中では決まってるのに、踏み出せないでいる。
一日中会えない日もあって、そんな日はなんだかずっと悲しい気分になってしまう。
相当、玲央くんのこと好きなんだよなぁ……。
帰りの挨拶が終わると、美月が私のところにやってきた。
「で?」
すごく聞きたそうな顔をしている。
「な、なに?」
「そろそろ返事しないの?」
思わず肩が跳ねた。
「……しようとは……思ってる、けど」
小さく答えると、美月は呆れたように笑った。
「一華さ」
「うん」
「誰かを傷つけたくない気持ちはわかる」
「……」
「でも、自分の気持ちまで後回しにしちゃダメだよ」
胸の奥が少しだけ痛くなった。
だって、その通りだから。
「答え、もう決まってるんでしょ?」
私は何も言えなかった。
否定できないな……。
そんな私を見て、美月は優しく笑う。
「だったら素直になりな」
「美月……」
「後悔する方が嫌でしょ?」
そう言われて、私は小さく頷いた。



