「I'd be happy if it was a wish to get in the shower with you.
(一緒に入りたいって言う願いだったら嬉しいんだがね)」どこまでも余裕のあるマックスの笑顔にイラついた。
「No way. I'm going in alone.(まさか。一人で入るわよ)」
完全に売り言葉に買い言葉だと気付いたが言ってしまったものはしょうがない。
マックスがゆっくりとあたしの背後に回り込んだ。
「Then come on in. Or do you want me to undress you?
(じゃぁ入っておいで。それとも脱がして欲しい?)」マックスの手があたしの見ようによっちゃネックレスのように見えるブローチの辺りを這っている。
あたしはゆっくりと目を閉じ、彼の肩に頭を預け目を閉じた。何年か前―――あたしはマックスのこのぬくもりと香りが大好きだった。
「Black pearl. Pink would look better on you.(ブラックパールか。君にはピンクの方が似合うよ)」
あたしはゆっくりとマックスの肩から頭を離し、その手を乱暴に払った。
でも今は何もかもが嫌悪感に満たされている。ブラックパールのように冷たく、こうしてブローチになる前、海の底で眠っている気持ちだ。
「Don't touch it because it's hard-earned. Besides, I don't care what you like.
(苦労して手に入れたものだから触らないで。それにあなたの好みなんてどーでもいいのよ)」
心音からプレゼントされたナイトウェアをぎゅっと握り、あたしが歩き出すとティムがあたしの先を行きバスルームへと案内してくれる。
舌打ちしたい気分だった。
ユーリがいないければ、あの男に平手打ちの一発でもかましてやったかもしれない。



