「These are delicious, Mom! More than garlic shrimp.
(これ美味しいよママ!ガーリックシュリンプより)」とフォークに突き刺した食べかけのエビフライをふりふりしながらユーリが満面の笑みを浮かべている。
「I'll give it to my mom.(ママにもあげる)」と食べかけのエビフライを差し出されあたしは思わず微笑んだ。
この子は―――美味しいものを誰かに分け与えてあげることができる優しい子になった。
あたしはありがたく顔をユーリに近づけかじりかけのエビフライを一口。
「Delicious?(おいしい?)」とユーリに聞かれ、それは何の変哲もないただのエビフライだったけれど
「Yes, very tasty. Thank you.(ええ、とっても。ありがとう)」あたしは微笑みながらユーリの頭を撫でた。
食べるのが遅いユーリのエビフライはすっかり冷えていてちょっと固くなっていた。啓が作ってくれたエビフライは外はさくさくで中はぷりぷりふわふわ。今度食べさせてあげたい。最高に美味しいのよ。
啓――――
今頃どうしているのだろう。
あたしたちと同じ、やはり瑞野さんと食事でもしているのだろうか。オムライスを掬うスプーンに思わず力が入った。
その後時差ボケなのだろうか、お子様ランチを少し残した所でユーリはうとうとと頭を揺らし始めた。
気付くとマックスもティムも食事を終えていた。
「Japanese hamburger steak is small.(日本のハンバーグは小さいな)」と早々に食事を終えていたマックスは顎に手をやっている。日本は150g辺りが基本だろうが、アメリカじゃその倍ぐらいある。確かに足りないだろうが…
「Hey, she looks sleepy. Give her back to the hotel as soon as possible.
(ねぇ、この子眠そう。早くホテルに返してあげて)」眠そうに目をこすりながらユーリがあたしのワンピースの袖をきゅっと握りながら
「 Is Mommy coming?(ママは?ママも来る?)」と聞いてきた。
正直―――この質問には困った。
「Of course you mom will be there.(当然、ママも来るよ)」マックスがにっこり言ってユーリの頭を撫でるとユーリは嬉しそうに笑った。
「Really? Yay!(ホント!ヤッター♪)」
ちょっと何勝手に決めてるのよ!と怒りたくなったが、ユーリの笑顔を見てると怒る気も沸いてこない。
子供の笑顔は偉大だ。



