店は家族連れが多かった。クリスマスだから、だろうか。若いカップルたちはいつもよりちょっと違うお店で食事しているに違いない。
運よく店の一番奥の角のボックス席に落ち着くことができた。ここだと多少の視線も無視できる。
親切な店員さんが子供用の椅子を運んでくれて、ユーリはそこに落ち着くことになったが最初は渋っていた。もう自分は4歳だ、立派なレディだと扱われたいのだろう。
でも椅子から落ちて怪我をしてしまったら大変。
「A respectable lady sits in the chair you provide for her without complaint, don't you think?
(立派なレディは文句言わず用意してくれた椅子に座るものよ?)」とあたしが言うと
「Did your mom sit there too?
(ママも座ってた?)」と聞かれ、記憶にないけれど
「Yeah. (ええ)」と頷くとようやく納得して座ってくれた。
これぐらいの年齢になると自我が芽生えるのだろう。可愛らしいプライドだ。
メニュー表をユーリと二人で覗き込む。
「What do you want to eat? This looks so delicious with so much stuff in it, doesn't it?
(ユーリは何が食べたい?これなんてたくさん入ってて美味しそうよ?)」
あたしが指さしたのは四種類あるうちのお子様ランチの一つ。小さなオムライスとハンバーグとエビフライがついている。
「Mom?(ママは?)」とユーリに聞かれて、あたしは無難に「Mom eats this dish.(ママはこれにするわ)」オムライスを指し示した。
ちらりとマックスとティムの方を気にすると二人は眉を寄せ、メニュー表を食い入るように見つめている。
マックスはおいといて、ティム……その真剣さが怖いわよ。



