Fahrenheit -華氏- Ⅲ


♥Ruka♥


啓が運ばれた病院から、あたしはマックスたちが宿泊していると言うホテルに向かった。


あんな風に―――最愛のユーリの手を離してしまった。


母親失格だね、あたし。


もう会ってくれないかもしれない。


でも


――――会いたい。


どれだけ嫌われたって。最後に顔を見たい。


マックスが宿泊しているホテルは都内でもかなり値の張るホテルだった。まぁ世界の大富豪のマックスにとっては大した額じゃないだろうけど。高いと噂されているホテルだけどクリスマスだからか宿泊客で賑わっていた。


部屋のインターホンを押すときはドキドキと指が震えた。


しかし


「Mom!」


とユーリが飛び出してきてあたしに抱き着いてきたのを見てびっくりした。


「July, awake?(ユーリ!起きてたの?)」


ママを―――待っててくれたの―――?


「Don't know .She said she wouldn't eat anything until you came.
(困ったよ。君が来るまで何も食べないって言うから)」と扉を開けてくれたティムがちょっと苦笑いでユーリを軽々抱き上げる。


「Why do you say that? You must be hungry. You have to eat.
(どうしてそんな……お腹ぺこぺこでしょ?ちゃんと食べなきゃ)」


「I wanted to eat with my mom.
(ママと食べたかったんだもん)」ユーリはティムの腕の中からあたしの方へ両腕を伸ばし、あたしはティムからユーリを受け止めた。


あたしと―――?