「It's been a long time since I've heard you talk so happily.
(そんなに楽しそうに話す君の声を聞くのは久しぶりだな)」マックスが皮肉とも捉えられる言葉を返してきた。
あたしは電話をスピーカーにしてビールを片手に窓際まで歩いて行った。夜の東京は色とりどりのネオンが輝いていて、まるで宝石を散りばめたような夜景を彩っている。ビールを一口飲むとシルク素材のガウンが右肩から滑り落ちた。
「Yes, very poignant.(ええ、とっても痛快よ。
It's like the feeling of having you twisted in my hands.
あんたをこの手で捻りつぶしてやる感覚に似てる)」
「That's scary. What the hell did you do?(それは怖いな。一体何をしたんだ?)」
「Anything would be fine, right? What's more important? Don't call me when there's nothing going on.
(何だっていいでしょ?それより何?何もないのに電話を掛けてこないで)」
「You're as cold as ever. I just wanted to ask about your Christmas plans.
(相変わらず冷たいな。君のクリスマスの予定を聞きたかったんだ)」
クリスマス―――?あんたには関係ないでしょ。とよっぽど言いたかった。あたしの肩から完全に滑り落ちたガウンを拾う気にもなれずまるで蝉の抜け殻のような状態のまま放置をして肩に掛かった髪を煩わしそうに払う。
「CoCone is planning to come over here for Christmas, so don't bother me.
(クリスマスは心音がこっちに来る予定だから邪魔しないでよ)」そっけなく言ってビールを一気飲みするとそのアルミ缶を片手でぐしゃりと潰した。
「Coco?I got it.(ココと?そうか、分かった)」
何、やけにあっさりしてるわね。ホントにクリスマスの予定を聞きたかっただけ?



