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20XX年11月11日 深夜
『―――――…啓…?』
瑠華の小さな声を聞いて、はっと息を呑んだ。
それを悟られたのだろうか、電話は切られた。
ブツっ
ツーツー…
と言う虚しい音を聞いて、
何やってるんだ、俺は。
ソファで携帯を握ったまま深く項垂れた。
ローテーブルには缶ビールが二本と焼酎の瓶が置いてある。
酔っていた。
そう、酔っていたのだ…
なんて言い訳だ。
俺のナンバーで掛けると出てくれないだろう、と思ってわざわざ非通知で掛けるって言う思考回路がある程。
俺は卑怯だ。
俺ってサイテー。
額を手で覆う。
数時間前、神来社支社長と紫利さんと別れてから紫利さんから電話が掛かってきた。
『瑠華ちゃん、いつも通りに思えたけど、ちょっと元気なかったようにも思えた。あと、ちょっとだけど差し入れしてきたわよ。あんまり食べてない気がしたから』
との報告に、少しだけ安堵したものの、やっぱり直接瑠華の声を聞きたくなった。
瑠華は―――寝ぼけていたのだろうか、心音ちゃんだと思ったらしく、その口調は普段心音ちゃんに対するそのもので、その口調から酷く沈んでいると言う風ではなかった。
紫利さんが言ったことは本当のことなんだ。別に疑ったつもりはなかったけれど。
でも―――
電話を切られた。
ズーン…
そのことに落ち込む。
……て、落ち込む資格もないってのに、この俺に。



