逃げられるものならお好きにどうぞ。



「え、私が払いますよ! 第一、これはお礼ってことなんだし…「いいからいいから」

「でも……」

「女の子に奢ってもらうなんて格好つかないでしょ?」



そう言われてしまうと、何とも言葉を返しづらい。

後で代金を渡そうと決めて、受け取ったトレーを持って二人で空いている席に腰掛ける。



「んっ、これ美味しいね。お姉さんも一口食べる?」

「……ううん、大丈夫です」

「そう?」



黒瀬くんは大きなハンバーガー二つとLサイズのポテトに加えて、ナゲットまで注文していた。

その食べっぷりを見ているだけで、お腹がいっぱいになりそうだ。


それに、見た目も細くて何となく小食そうなイメージがあったから、大きな口を開けて美味しそうに頬張る姿に、何だか見とれてしまう。