「というか、黒瀬くんは……どうして私なんかに構うの?」
「どうしてって?」
「だって……私より綺麗な人も可愛い子も、君の周りにならたくさんいるでしょ。黒瀬くんみたいに格好いい人なら、選び放題なんじゃないんですか?」
「選び放題、ねぇ……」
そこで言葉を切った黒瀬くんは、何か言いたそうな、意味ありげな視線を向けてくる。
けれど、真っ黒な瞳を見ても何を考えているのかは全く分からなくて、こちらから視線を逸らしてしまった。
「まぁ、今はお姉さんにしか興味がないしね。俺、こう見えて、結構一途なんだよ?」
「……はぁ、そうですか」
左隣から聞こえてくる甘い言葉に素っ気ない返事をすれば、黒瀬くんは何が可笑しいのか、またいつものようにクスクスと綺麗な笑い声を漏らしていた。



