逃げられるものならお好きにどうぞ。



「二日振りだけど変わりはなかった? 元気?」

「……はぁ。今、元気がなくなりました」

「それなら、俺が元気づけてあげようか?」

「結構です」

「えぇ、つれないなぁ。というかお姉さんって、何でずっと敬語なの?」

「心の距離ですね」

「それ、縮めたいんだけど」

「無理です」



黒瀬くんは、案外笑い上戸なのかもしれない。

ほらまた――何が楽しいのか一人でクスクスと笑っている。



「そっか。それじゃあその距離を埋められるように努力するよ」

「……」

「ということで、明日俺とデートしない?」



――どういうことですか? 

話の文脈がおかしくないだろうか。どうしていきなりデートの流れになったのだろう。