私の大好きな笑顔で。
「変わったな」
その言葉で、気分が晴れた気がした。
心の中の分厚い雲が流れて、ようやく日がさした感じ。
体も軽くなって、さっきまで走ってた疲れもなくなった。
「誰のせいだと思ってるのよ」
「まぁ、俺のおかげだな」
二人して笑い合った。
その時、私のスマホが鳴った。
見てみると、DMが届いている。
送り主を見た瞬間、私たちは目を見合わせた。
この前の中学生の女の子からだった。
“初めまして。私のこと、覚えていますか?あの時、炎上している私を助けてくれましたよね?こんな人たちがいるんだって、すごく心が救われました。あの時、あなたたち2人が炎上してくれたから、私、消えずに済みました。だらか、お願いです。最後まで逃げないでください。今度は私が助けたいです。”
「……無駄じゃなかったんだね」
私がつぶやくと、渡辺くんは深く頷いた。
“私に何ができるかわかりませんが、このメッセージが2人に届きますよに”
届いたよ。
しっかりと。
ありがとう。
「んじゃ、早速やりますか」
階段に座ったまま、渡辺くんがスマホを取り出す。
今から配信をすることに迷いはなかった。
先生たちに注意されたばかりだし、外では多分まだ人だかりはできていると思うけど、私たちにはやる理由があるから。
もしかしたら、これが最後になるかもしれない。
そのために、悔いの残らないように、私たちらしく炎上して終わろう。
私たちは二人肩を並べて配信ボタンを押した。
もうパーカーは借りないし、顔も隠さない。
どうせもうバレたんだ。
私たちの全てをさらけ出そう。



