炎上代行~キミとなら、最悪でもいい~

翌朝。

スマホの通知音で目が覚めた。

わざと通知をオンにしたんだ。

きちんとコメントに目を通すために。

『炎上代行カップル。人の目を気にせず路上で抱き合う』
『写真流出。削除される前に絶対見て!』
『配信者、顔バレ』

そこに貼られていた写真は、去年のものだったりする。

明らかに、学校内の人の仕業。

これだけ問題が拡散されれば、もちろん学校みんなの目にも入るだろう。

見て見ぬふりをすればいいものを、加担する者も出てきている。

通知が止まらない。

『え。配信の子可愛いじゃん』
『確かに、暗い声と全然イメージ違う』
『本当に付き合ってるの?』
『てか、彼氏の方、あたし誰かわかったかも』
『ねぇ、学校どこ?』
『特定班まだ?』

本当は怖かった。

渡辺くんや他の人を守るなんてたんか切ったけど、そんな自信はなかった。

今まで弱かった自分が、急に強くなれるはずがない。

だけどそれは、きっと渡辺くんも同じだったかもしれない。

戦うって言葉にしたのなら、できるところまで、とりあえず体当たりしてみよう。

学校へ向かうと、校門前にはたくさんの人だかりができていた。

学校が特定されたのだから、想定内のことだ。

こうなるってわかってた。

震える体をグッと抑えて、人だかりの中に歩みを進める。

スマホを構えて準備する生徒たち。

他の学校の生徒もいるし、それに、中には大人までいた。

「あ、きたっ!」
「本当だ!写真の子!」

誰かが私に気がつくと、一斉に多くの目が私に集中した。

負けないように、奥歯を噛み締める。

私の元に走ってきて容赦無くスマホを向けてくる。

写真や動画を撮られたり、中にはリアルタイムで配信している人だっていた。

「朝比奈っ!こっち!」