炎上代行~キミとなら、最悪でもいい~


通知。
通知。
通知。

画面を見る渡辺くんの目が見開く。

「……何?」

渡辺くんは、答える代わりに、スマホの画面を私に向けた。

『炎上を操る高校生二人』
『炎上代行の正体、暴露』

暴露系配信者による動画だった。

配信の切り抜きや、学校情報、匿名アカウント。

全部まとめられている。

「嘘……」

そこに書かれているコメント欄は地獄だった。

『最低だな』
『今すぐこの世から消えろよ』
『今から潰しに行こうぜ』

指先が震えた。

今までで一番、怖い……。

もう特定されてる。

学校に行けば絶対標的にされる。

どうしよう……。

どうしたらいい?

「……もう終わりだな」

「……え?」

「もう炎上代行はやめるよ」

渡辺くんの諦めた声。

渡辺くんはスマホを手に取り、何やら操作をし始めた。

アカウント削除画面だ。

「待ってっ!」

私は慌てて渡辺くんの手を止める。

「何すんだよ。離せよ」

「消さないで」

「これ以上、おまえを巻き込みたくないんだよ。傷つくのは、俺一人で十分だ」

「………」

「俺といると、おまえまで壊れる」

その言葉が胸に刺さった。

もう、妹さんのような悲劇は起こさない。

そんな強い気持ちが渡辺くんから伝わったから。

「最後まで戦おうよ」

「朝比奈……」

「私、渡辺くんに救われたんだもん。今度は私が渡辺くんや他の人を救う番」

私が笑うと、渡辺くんはまた声を殺して泣いた。

渡辺くんは、一人で苦しむ私を助け出してくれた。

少しでも息のしやすい世界に連れてきてくれた。

今度は、私の番だ。

私が、渡辺くんを助けてみせる。