「……え?」
「俺の見込み違い。おまえと炎上代行とか無理だったわ」
そ、そんな言い方しなくても……。
「普通さ、慣れてきたらコメント気にすんじゃなくて、数字の方が気になってくんの」
「………」
「麻痺するってゆーの?未だに傷ついてるようじゃ、やってけないっつーの」
そんな人、いる?
どんなに自分に悪い言葉を向けられても平気になる人なんて。
それって、ただ心を閉ざしてしまってるからじゃないの?
もし麻痺して何にも思わないなら、おかしいのは渡辺くんのほうだ。
「ねぇ、聞いていい?」
「なんだよ」
「……平気なの?」
ピクリ。と、渡辺くんの眉が動いた。
「渡辺くんは、こんなに色々書かれても、なにも思わないの?」
「………」
「本当に、麻痺しちゃったの?もしそうだとしたら、麻痺しちゃうくらい、酷いことを言われたことがあるってことでしょう?」
私が聞くと、渡辺くんの背中が丸くなって大きく息を吐いた。
「平気なわけねぇだろ」
眉間にシワを寄せて、私を見る。
「俺だって、本当は傷つくし、おまえみたいに泣く日だってあるよ。だけど……」
「………」
「だけど、俺はもう弱くならないって決めたんだよ」
どう言うこと……?
「俺さ、妹いるんだけど」
「そうなの?」
私が聞くと、渡辺くんはテーブルの上のスマホを見つめたまま頷いた。
「妹も、実は配信やっててさ。まぁ、みんなやってるから〜とか軽い考えから始めたみたいだけど」
初めは誰だってそうだよ。
私だってそうだったんだから。
「人気は大してなかったんだ。フォロワーも、知り合いだけみたいな」
渡辺くんは、妹さんのことをたくさん話してくれた。



