私は、小さく頷く。
「過激なコメントってさ、なにをしてもついてくるもんだから、あんま気にすんなよ」
「うん……」
「おまえはもう一人でやってるわけじゃないんだから、何かあれば俺に必ず言えよな」
渡辺くんはどうしてこんなに優しいんだろう。
人の気持ちを繊細にわかる人だ。
渡辺くんがいなかったら私、きっと全然立ち直れてなかったと思う。
ピコ。
ピコ。
ピコ。
ピコ。
渡辺くんのスマホからたくさんの通知音が鳴った。
「……ったく」
画面を見た渡辺くんはそれを開く前に、ベットにスマホを投げつけた。
「どうしたの?」
「あ、いや、なんでもないよ。気にすんな」
「なんでもなくないでしょ?あんなにたくさんの通知。ちょっと見せて」
「あ、ちょ、やめろって」
珍しく焦る渡辺くんが、ベットからスマホを取ろうとした私を制止しようとする。
だけど私の動きの方が数秒早くて、スマホを撮られた渡辺くんは大きくため息を吐いた。
お知らせの欄に、たくさんのコメントが表示されている。
『炎上で数字稼ぎ』
『内容スカスカなのウケる』
『高校生炎上カップル。終わってんな』
『いい加減、二人一緒に消えてくんないかな』
誹謗中傷の嵐。
「……ごめん」
「なんでおまえが謝るんだよ」
「だって、泣いて炎上させたの、私だし……」
「だから?炎上させるのが俺らの目的じゃん」
「涙ぐらい、我慢すれば、渡辺くんは出てこなくてもよかったのに」
泣きそうになるのをグッと堪えた。
「心無いコメントなんて、もう慣れたはずだったのに……」
私が言うと、渡辺くんはグラスに入った冷たい麦茶をグッと一気飲みした。
そして、乱暴にテーブルにグラスを置く。
「やっぱ、おまえ向いてねぇわ」



