劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「なるほどね。マシューは自信が足りないんだ」

「じ、自信?」

「自分はできるって気持ちがないと、さっきみたいに中途半端な魔法しか使えないんだよ。実戦だったらとっくに死んでる」

フローレンスの言葉に、マシューの脳裏には船での出来事が浮かんだ。あの時、フレイヤが来てくれなかったら、マシューは間違いなく死んでいたのだ。

(僕は、やっぱり不完全な魔法使いだ)

マシューはただ杖を握り締めることしかできなかった。



授業が終わり、マシューは教室を出る。ハリーは授業が終わるチャイムが鳴ったと同時に「トイレ〜!!」と叫びながら教室を出て行った。ジュディスはヴィヴィアンと話している。

廊下を俯きがちに歩いていると、「胸を張って歩け」と後ろから声をかけられた。振り返ると、レンスケが腕を組みながら立っている。その隣にいるメイジーは、すっかり顔から表情が消えていた。

「レンスケ先輩……オードリナ先輩……」

ゆっくりとレンスケは近付いてくる。そしてマシューの顔を見て息を吐いた。

「お前はアメジスト・ウルフ寮の生徒だという自覚が足りない。自信がなくオドオドして他寮の生徒から舐められているのがわからないのか?」

その言葉に、必死に耐えていた心がプツリと音を立てた。マシューは拳を握り、「……あなたに何がわかるんですか」と口にする。マシューの目からは涙が溢れていた。