劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「……えっ?」

横を見れば、教科書を見ずに作業をしているヴィヴィアンが顔を真っ青にしている。ふと鍋を見れば、中の液体がどす黒くなって沸騰し始めている。

「僕、間違えてた?」

「お湯を注ぐのはドラゴンの鱗を入れてからです。先にお湯を注いでしまうとーーー」

ヴィヴィアンが言い終わる前に、ドーンッと大きな音が響いた。マシューの鍋が爆発したのだ。熱い湯がマシューに思い切り当たる。

「あっつい!!」

マシューは腕を見つめる。制服が破れ、剥き出しになった皮膚は酷く爛れていた。教室は一瞬にしてパニックになる。

「マシュー!!」

「大丈夫!?」

ハリーとジュディスが作業の手を止め、マシューに駆け寄る。シャノンも「マーキュリーくん!!」と言い、マシューの傷の具合いを診た。

「……これは酷い。すぐに医務室に行きなさい。場所はわかりますか?」

「あっ、いえ……」

「では私と一緒に行きましょう。皆さんは作業の続きをしていてください」

シャノンに連れられ、マシューは廊下に出る。教室を出る直前、マシューの耳に「全然優秀じゃないじゃん」という声が聞こえた。